コンタクトレンズのココだけの話
清の西太后(1835〜1908)の処方集には、目の疲れ、かすみ、めまい、頭痛などに菊花のエキスと蜂蜜を練り合わせた「菊花延齢膏」が効くと記されています。
「菊花延齢膏」は現在も市販されていて、美容と健康によいと根強い愛用者がいますが、当の西太后はこれを湯に溶かして服用していたそうです。
成分的には、アピゲニンの配糖体、アデニン、コリン、アミノ酸、フラボン類を豊富に含んでいて、最近、動脈硬化、高コレステロール症などにもよいことがわかってきました。エビスグサエキスはマメ科の植物のハブソウのことですが、夷(えびす)、つまり外国から渡ってきた草という意味でエビスグサと呼ばれました。
もともとは北アメリカ原産の一年草ですが、中国南部、熱帯アジアにもあって、日本には250年ほど前に伝えられたと言われています。
本体は「草決明」とも呼ばれ、種子は「決明子」の呼称をもつことからもわかるように、古くから中国では煎じて目の諸症状の改善に用いられてきました。
種子のお茶はハブ茶の呼称でよく知られています。
漢方ではその働きを「清肝明目」と表して、肝臓を健やかにし、目の働きを高めて「白内障」「緑内障」をはじめ、目の充血、涙目を癒します。
エビスグサは、『本草綱目』等の書物に、「石決明」・菊花と併用するとよりよいことが書かれています。
以上をまとめますと、眼球は水晶体も角膜も透明性をできるだけ保持できるような資質を備えていますが、主剤であるアワビの貝殻抽出エキスはもちろん、副剤のクコエキス、菊花エキス、エビスグサエキスも、その働きをより活性させると考えられます。
その透明性の保持力が「白内障」に有効に働き、目の仕組み全体を活性化させ、眼圧のバランスを取らせる働きがあって、「緑内障」の予防、改善につながると考えることができます。
「石決明」として使用されるものは、クロアワビ、エゾアワビ、トコブシです。
扱っているエキスは、これらのアワビの貝殻から抽出したものです。
主な産地は、中国、韓国、日本ですが、原材料として安定した質と量とがそろう中国産のものを使用しています。
エキスの抽出は日本で行い、医薬品の抽出技術に六十数年の歴史をもつ製薬会社の工場で行い、ロットごとに厳密な分析テストを実施しています。
抽出法は、高い品質保持と高効率の熱有機溶媒抽出法を用いていますが、抽出後は中和調整し、弱アルカリ性に戻してからパウダー化します。
エキス抽出は高温、高圧のもとで行いますが、その際に成分を壊すことなく行う技術は、特殊かつ高度なものを要求されます。
また、分析テストは、性状、乾燥減量率、微生物試験、タンパク質について行い、規格の順守に努めています。
これらの諸条件を満たせる製造環境となると、やはり日本の独壇場ということになります。
クコエキスの原料は主に中国産です。
加工は品質管理のうえから、同じく漢方生薬の熱水抽出技術では定評のあるY製薬会社の工場で行い、規格のレベルを守っています。
加工工場にこだわる理由は、生薬の品質保持は技術的に難しい点が多く、高いレベルが要求されるからです。
菊花エキスの原料は主に中国産です。
菊花エキスは種子からとりますが、クコとの組み合わせによる相乗効果が大きい生薬ですので、クコエキスと同じ製薬会社の工場で抽出することによって、品質管理が行き届くように工夫しています。
エビスグサエキスの原料は質と生産量の安定している中国産です。
従来のアワビの貝殻抽出エキスには、クコエキスと菊花エキスは含まれていましたが、エビスグサエキスは含まれていませんでした。
この植物は「草決明」の別名で呼ばれているように、目の働きを活発にして視力を強化し、目の健康を保持しますので、副剤として加えてあります。
抽出は菊花エキス同様、技術的にも安定し、かつ品質管理上も合理的であることから、同じ製薬会社の工場で抽出しています。
眼病は現代病の一つであると言えます。
生活空間の狭い都市生活、24時間眠らない街、あるいはテレビ、テレビゲーム、パソコン、受験勉強などなど、現代の日本人は子供のころから目を酷使する生活を一日中おくっていることが原因です。
自然人としての人間の目の耐久力は、今や限界に達していると言えるでしょう。
空気や水の汚染など私たちを取り巻く自然環境の悪化や、オゾン層破壊に伴う紫外線の増加など、目の健康を損なう要因はこれからもますます増える傾向にあり、このような生活環境が目の健康にいいはずはありません。
プロローグでも触れましたが、著者のもともとの研究テーマは糖尿病で、現在眼科医をしていることと無関係ではありません。
すなわちよく知られているように糖尿病が中途失明の第一原因であるからですが、その発症も、食生活、運動不足、ストレスなど現代生活と深い関係があります。
そこから生じる糖尿病性網膜症等の眼病は、やはり現代病の一つと数えられます。
「緑内障≒白内障」も現代生活、環境と大いに関係があります。
「白内障」は、一般的には「老人性白内障」といわれるとおり目の老化現象ですから、加齢に伴って増える病気で、60歳代では6割以上の人が、80歳代ではほぼ全員が罹患すると言われています。
ところが、最近は若い人の間でも発症する例が少なくありません。
たとえばアトピー性の「白内障」も増えていますし、先述したようにパソコンの普及による目の酷使、紫外線量の増大、ストレスの増大などの要因による「白内障」も増えています。
また「緑内障」は、多くの場合、眼球の中の圧力(眼圧)が上がり、そのために視神経に障害が起きる病気です。
その結果、視野狭窄(見える範囲が狭くなる)を起こしたり、失明したりします。
なかには眼圧は正常であるにもかかわらず「緑内障」症状があらわれる場合があります。
これを「正常眼圧緑内障」と言い、日本人に多く、若い人に増えています。
発症の原因は、先天性、外傷性、あるいはステロイド剤の副作用、そのほかにもいろいろありますが、基本的にはそれらが引き金となって房水(眼球を満たしている血清に似た液で、眼圧を保ち、角膜永晶体に栄養を補給している)の循環が滞り、眼圧が上がることで症状があらわれます。
今までに100人以上の患者さんにアワビの貝殻抽出エキスを飲んでもらっていますが、症状は「緑内障≒白内障」のほか、結膜炎、角膜炎、眼底出血、眼精疲労、老眼などです。
アワビの貝殻抽出エキスを単独で用いる場合と薬と併用する場合と二通りありますが、病気別にそれぞれ改善傾向を列記すると、
・結膜炎や角膜炎では顕著な改善がみられ、完治したと言える例もある。
・眼底出血に関しては、網膜の出血斑が比較的早く消える傾向がみられた。
・「緑内障」に関しては、約八割の方に眼圧低下の傾向がみられ、視力、肩こり、頭痛、目の奥の痛みなどの自覚症状が改善した。
とくに「正常眼圧緑内障」の患者さんの眼圧が安定し、点眼薬では止められなかった進行性の視野狭窄に歯止めがかかった症例には驚いた。
「白内障」では、六割の患者さんの視力が向上した。
ただし、「緑内障」の患者さんの視野が広がったり、「白内障」の患者さんの水晶体の白濁がきれいに消えたりしたわけではありません。
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